新型コロナウイルスの経口治療薬について
コラム
介護関係のお仕事されている方や入所者、そのご家族からよくお問い合わせ頂くのが、新型コロナウイルスの飲み薬についてです。実際に新型コロナウイルスに入所者がかかってしまい、それも施設がクラスターになってしまうと手の施しようがありません。しかも身体の不自由な高齢者ばかりで何も治療をしないと高確率で重症化します。そのため、新型コロナウイルスの経口治療薬がある訳ですが、医師が普通に処方できるのか?どこの薬局でも取り扱いがあるの?何種類治療薬があるのか?などなど疑問があるかと思います。そこで、いわゆる飲み薬(経口薬)について今どんなものがあるかを紹介します!(※2022年9月時点)
①経口抗ウイルス薬って?
・経口抗ウイルス薬とは「新型コロナウイルス感染症」にかかってしまった患者様に投与できる治療を目的とした飲み薬のことです。令和3年12月24日に抗ウイルス薬「モルヌピラビル」(販売名:「ラゲブリオ」)が特例承認となり、令和4年2月10日に「ニルマトレビル・リトナビル」(販売名:「パキロビッド」が特例承認となりました。これらの飲み薬は安定的な供給をおこなうため、国で買い上げてから治療する医療機関や薬局へ無償提供する状況となっています。(9月16日からは無償提供は終了し、一般流通品が発売されます。)
②経口抗ウイルス薬の処方って?
・経口抗ウイルス薬は、新型コロナウイルス感染症の患者様で特に重症化などで医師が投薬必要と判断した場合において処方されます。医師が処方箋を対応薬局に送付して薬局は患者様の自宅や施設などに配送することで処方されます
③経口抗ウイルス薬の種類
1.「モルヌピラビル」(販売名:ラゲブリオ)
<基本条件:(次のすべてを満たすこと)>
・投与の時点で発症日から5日以内
・18歳以上である
・妊婦または妊娠している可能性がないこと
<部分条件:(次のいずれかの重症化リスク因子を有すること)>
・61歳以上である
・活動性の癌(免疫制御または高い死亡率を伴わない癌を除く)
・慢性腎臓病
・慢性閉塞性肺疾患
・肥満(≧BMI30)
・重篤な心疾患(心不全・冠動脈疾患または心筋症)
・糖尿病
・ダウン症
・脳神経疾患(多発性硬化症、ハンチントン病、重症筋無力症等)
・コントロール不良のHIV感染症およびAIDS
・肝硬変等の重度の肝臓疾患
・臓器移植後、骨髄移植、幹細胞移植後
2.「ニルマトレルビル・リトナビル」(販売名:パキロビッド)
<基本条件:(次のすべてを満たすこと)>
・投与の時点で発症日から5日以内
・成人または12歳以上かつ体重40kg以上の小児
<部分条件:(次のいずれかの重症化リスク因子を有すること)>
・60歳以上
・BMI 25kg/m²超
・喫煙者(過去 30 日以内の喫煙があり、かつ生涯に 100 本以上の喫煙がある)
・免疫抑制疾患又は免疫抑制剤の継続投与
・慢性肺疾患(喘息は、処方薬の連日投与を要する場合のみ)
・高血圧の診断を受けている
・心血管疾患(心筋梗塞、脳卒中、一過性脳虚血発作、心不全、ニトログリセンが処方された狭心症、冠動脈バイパス術、経皮的冠動脈形成術、頚動脈内膜剥離術又は大動脈バイパス術の既往を有する)
・1型又は 2型糖尿病
・慢性腎臓病
・神経発達障害(脳性麻痺、ダウン症候群等)又は医学的複雑性を付与するその他の疾患(遺伝性疾患、メタボリックシンドローム、重度の先天異常等)
・限局性皮膚がんを除く活動性の癌
・医療技術への依存(SARS -CoV-2による感染症と無関係な持続陽圧呼吸療法 等)
株式会社大森薬局
〒060-0061 札幌市中央区南1条西16丁目1
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